FREESTYLEⅡ








入り口から真っ先に最後の空間へ向かう
思わず声が出てしまった
右目に射られて、左目に飲み込まれて、
おおのさんに塗れてしまいそうだった
誰かが髪に5という文字が見えると言った
黒と深い緑色で書かれた部分が確かにそうみえる気もしたけど真実はどうだってよい
ここでは真実はどうだってよいのだ



自画像 右目は黒の中に内から赤、青
左目は白 顔の左側は全て白い絵の具で描かれていた
髪 向かって左は原色が多い 遠目からみると白いスプレーのような白が上に擦れて乗っているようにみえる
右はピンクと水色のパステルカラー なんだか夕焼けを思い出した 金と銀のぐるぐるが弾けていた
右の下の余白にも白い絵の具を置いたような跡



パグ 右のパグはぶちゃむくれているね 私はこっちの子のがすきなの 鼻の質感がすごくリアルで思わず触りたくなる、くしゃみしそう
左のパグは首を傾げてる 毛が右の子にくらべてとてもカラフル 何色もの線が重なってこの子の色になってる 儚い
前で止まって話をする人たち 帰ればいいのに、とおもうけど 好きにみていい場所だからなにもいえない




自画像、パグ、みっちゃん そのどれも目が合っているようで合ってなくてどうしようもなく綺麗な空間だった





入口のメッセージ おおきにぃ〜の文字 すき
砂浜を耕して書いたFSⅡとおおのさんの格好が大好き


フィギュアゾーン 残り10分頃くらいになると皆うしろにいっちゃうから誰もいない、そこの間を通り抜けるのはぞくぞくした 一つひとつがおおのさんの作った一人ひとり 映像で滝に打たれてる子もそう



イカ墨をぴゅっと吹かれたような、吸盤と透けた体 男の子にも通づるドット 銀の文字で書かれた烏賊という題字


そこからの男の子 この絵の前にくるといつも動けなくなる 何度も何度も来てしまう 写真でみると少し気持ち悪いようにみえるけれど、実物はずっとみていられる
裏 髷などの隙間から赤色ドット 紙じゃなくて布のようなものに描かれているからこそのそれ ドットの凹凸がわかる 目は濃い黒に水をおとしたような色




上海から 思っていた以上だった 「ありがとう」「3104」「SATOSHI」の文字
前の襖に描かれたタツノオトシゴと向かい合わせの配置
おかえりなさいとようこそが織り混ざった気持ち


金色の子 小さい かわいい みんな覗いて見る感じがとても素敵だった ほっぺ 額の文字は智だったのか〜 なぜか宝にみえて、ほんと、宝だよっておもってた



釣竿に捕まった子 口じゃなくて鼻なところとてもおおのさん しならせ具合も この辺りにくるとⅠのときの光景を「行きたかったな」「行けないんだな」「行きたいな」って思いながら見てたのが過ぎって、夢じゃないんだなあ わたしは今おおのさんの作品に触れているんだなあって実感した




赤い壁の向かいに黒い壁、隣は白い壁でコントラスト 黒い壁のおおのさんのピンクのお顔 小顔にも程がありませんか… 頭のてっぺんは金色だけど、面のピンクに合わせるように、後ろの板の側面もピンクになってる


赤い壁のところ 眼鏡の男の子と澄んだ目の作品は重なって飾ってあったっけ この目も大好きで、よく見るとこれも何色もの色が混ざりあって綺麗 美しい おおのさんの描く目が好きだ 生きてるみたいで、でもこんなに綺麗な目なんてまだ見たことないなっておもうんだよ



似顔絵 「こんなとこに飾ってくれてるの!」ってびっくりする四人の顔が浮かぶよう ひとの顔を描くことなんでなかなかないけど、薄い線なのに存在感 大事におおのさん そこへ置いたんだろう




水槽の子 真っ白だった!魚に羽をついばまれてたよ 藻がいっぱい生えてた この子みて楽しそうに笑うのかな 小さい子みたいに その笑顔が大好きだな





どこに留まることも出来なくて、うろうろ
ずーっとうろうろしてた
なんにもないけど天井みたり、
遠くから全体をみてみたり、
どんな角度からどんなことを思って
この空間をどんな気持ちで作ってくれたのか


スタッフさんも言っていたように
フリースタイル 説明書きは一切ないから
誰の気持ちを感じようとしても自由だと
わたしは自分の気持ちだけを考えることは出来なくて、勝手におおのさんのことも考えた


ほんとはもういやだったかもしれないな
ほんとなら見せなくてもいい、
大切にしまってていいものたちを
見せてくれる 見たいことを知ってくれている
みせたいっていってくれる それだけで満たされる



忙しくても描く それらは仕事じゃなかった
今は違ってはいないか
描くことが負担になってはいないか
大切なひとの大切なものの形が変わってしまわないか
こわかった
取捨選択ができるひとだとおもってる
やっぱりどうしても自分のものさしでみてしまう




他人のことって想像するしかできないけど
あなたというひとが変わらない限り
誰にも取り上げる権利なんてないし
この先もうみせてくれなくても
それで大事にできるならいい
でもきっとまたいつかみせてくれるような気がしている
そのことを楽しみにしてしまっている
もう訪れることはできないんじゃないかって
半ば諦めていた個展というもの
夢を教えてくれたのも叶えてくれたのも
すべておおのさんだった
おおのさんが大切に作ったものに触れて
おおのさんの好きに沢山ふれることができて
このひとを好きになれたこと
改めてよかったと思いました



わたしはおおのさんを好きなこと
いつだって色んなひとに自慢したいよ
どんなおおのさんも大好きだって
そんな広い心は持てないかもしれないけど
できるだけ あなたの好きなものをみたり
きいたりして 抱きしめて生きていたい
みせてくれてありがとう
しあわせがちゃんとあなたの下へ返りますように









謝謝、再見!